徳川直子(航空宇宙技術研究所 流体科学研究センター)(第68回流体懇話会のご案内)


                      第68回流体懇話会のご案内

                                                    平成13年8月11日


  流体懇話会はこの秋で7年目を迎えます。これまで、流体における多くの著名
な方々のご講演を企画してきました。7年目に入り、これまでの講演会に加え、
二つの新しい方向を考えました。一つは、流体若手研究者の発展途上の研究成果
を皆さんに知ってもらい議論していただくことです。もう一つは、流体研究にパ
ラダイムシフトを与えるような分野外からの成果をお話いただく講演を企画する
ことです。9月の流体懇話会は流体若手研究者として徳川博士をお招きします。
どうぞご参加下さい。

講師:徳川直子(航空宇宙技術研究所 流体科学研究センター)
演題:SST実験機飛行試験における境界層遷移試験にむけて

内容:SSTロケット実験機では、主翼の摩擦抵抗を最小にするため自然層流翼が
採用されており、2002年3月に予定されている設計概念の実証飛行試験では、
国内で始めて超音速飛行時の境界層遷移計測が行われる。最新のCFD技術を駆使
して設計された翼の遷移点は、eN法に基づく数値計算コードを用いて予測される
が、超音速流におけるN値のデータベースが乏しく、精確な予測が困難である。
飛行試験に先立ち、設計された翼型の遷移特性を把握し、遷移予測コード検証用
のデータベースを構築するため、また高精度に遷移点を検出する計測技術を確立
するため、これまでにフランス航空宇宙技術研究所(ONERA)の回流式大型超音速
風洞S2MAを始め種々の風洞試験や飛行試験を実施してきた。その結果、翼の遷移
点は主流の単位レイノルズ数の増加に伴い上流へ移動するが、遷移点を前縁から
の距離に基づくレイノルズ数で整理すると単位レイノルズ数依存性はなくなるこ
と、内翼と外翼では遷移レイノルズ数の迎角依存性が異なることなどが明らかに
された。当日はS2MAで行った全機模型主翼のホットフィルム計測を中心に、これ
までに得られている試験結果を合わせて紹介する。

日時: 9月7日(金) 16:30〜18:00

場所: 電気通信大学 東4号館8階AV会議室(802号室)


                                                        流体懇話会事務局
                                                         (電気通信大学)
                                                    FAX:0424-84-3327
                                    e-mail:nagare@maekawa.mce.uec.ac.jp

流体懇話会のお知らせ

連絡は懇話会事務局(naoya@miyazaki.mce.uec.ac.jp) まで

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