松下 貢(中大・理工・物理)(第88回流体懇話会のご案内)


                       第88回流体懇話会のご案内

                                                       平成15年7月14日


流体懇話会の講演会を下記のように開催いたします。どうぞご参加下さい。

講師:松下 貢(中大・理工・物理)

演題:粉粒体の垂直パイプ流−砂の交通渋滞−

日時:平成15年7月25日(金) 16:30〜18:00

場所:電気通信大学 東4号館8階AV会議室

内容:
  垂直に立てたパイプの上端からじょうごを通して粉粒体(砂)を自然に流し
込む。粉粒体はパイプ内の媒質流体(空気)と相互作用するため、媒質流体は
パイプ中を落下する粉粒体によって引きずられる。こうして、粉粒体は媒質流
体とともにパイプ中をほぼ一様に勢いよく流れ落ちる。これはさながら火砕流
のような振舞いである。

次にパイプ下端にコック付き三角フラスコを取り付ける。コックを徐々に閉じ
てフラスコからの媒質流体の排出量を制限すると、粉粒体と媒質流体との速度
差が増して、粉粒体は媒質流体からの粘性を強く感じるようになる。その結果、
パイプ下端あたりから粉粒体の密度の粗密が見られるようになる。コックを完
全に閉じた場合、じょうごからパイプ上端にゆっくりと一様に流れ込んだ粉粒
体がある程度加速されたところで粗密波が現れ、それより下ではパイプ下端ま
でゆっくり動く粗密波が続く。(ただし、粉粒体そのものはずっと早く落下す
る。)このとき発生した粉粒体密度波のパワースペクトルはべき乗則
P(f) 〜 f^{-α}に従い、そのべき指数 α は 4/3 に非常に近い。したがって、
パイプ中でのこの密度波の出現は自己組織化臨界現象(SOC)の一種とみなさ
れる。また、この密度波が見られる限り、そのパワースペクトルはべき乗的で
指数αの値が 4/3 に近く、この現象の robust さがうかがわれる。

コックを完全に閉じた状態でパイプ上端に注ぐ粉粒体の量を小さな値から徐々
に増すと、ある注入量までは一様流だったのが、その値から突然密度波を示す
ようになる。これは粉粒体の密度が増して、ある閾値で突然その交通渋滞が起
こったことに相当する。このときのパワースペクトルもべき乗的で、その指数
αは4/3に非常に近い。


                                      流体懇話会事務局(電気通信大学)
                                    TEL:0424-43-5438,FAX:0424-88-6371
                                         naoya@miyazaki.mce.uec.ac.jp
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