泉 耕二(宇宙航空研究開発機構 総合技術研究本部)(第92回流体懇話会のご案内)


		       第92回流体懇話会のご案内

                                                   平成15年12月1日


流体懇話会の講演会を下記のように開催いたします。どうぞご参加下さい。

講師:泉  耕二(宇宙航空研究開発機構  総合技術研究本部)

演題: 1)「新機関JAXAの航空技術研究構想について」
       2)「急出発する物体まわりの流れと非定常高揚力の発生」

日時:平成15年12月19日(金) 16:30〜18:00

場所:電気通信大学 東4号館 8階 AV会議室

内容:
1)「新機関JAXAの航空技術研究構想について」
航空宇宙技術研究所は宇宙開発事業団、宇宙科学研究所と統合し、平成15年10月
1日から「宇宙航空研究開発機構(JAXA: Japan Aerospace Exploration Agency)」
として装いを新たにした。旧航空宇宙技術研究所の主な組織機能はJAXAの総合
技術研究本部として  継承され 運営されている。  新組織JAXA の航空系では
文部科学省で策定された「航空科学技術に関する研究開発の推進方策について」
(報告書平成15年5月)に基づき研究開発の方向性の見直しを行い、その展開を行っ
ている。ここでは、この活動の概要を紹介する。

2)「急出発する物体まわりの流れと非定常高揚力の発生」
翼や楕円柱が迎角をもち流れが充分に剥離する場合、これらの物体に働く揚力
の発生機構は、未だ充分に理解されていない。このような剥離をともなう流れ
の研究は、例えばヘリコプタのロータブレードの動的失速(dynamic stall)、
翼のフラッタ、スポイラーの逆効き、オートローテーション、昆虫の羽ばたき
飛翔、構造物の励振などの非定常現象を理解する上で、基本的な指針を与えて
くれる。非定常揚力の発生には剥離渦の挙動、すなわち剥離渦の位置や強さの
変化が重要な役割を担っているにもかかわらず、従来この視点に立脚して揚力
の非定常性を定量的に議論した研究は少ない。

本研究では、静止状態から急出発する楕円柱(厚み比50% & 20%)及びレンズ翼
(厚み比20%)に働く過渡的な揚力の発生機構を明らかにすることを目的として
水槽実験を行った。迎え角α=0〜90度、Re=1000〜10000である。その結果、
出発直後に 過渡的に 非定常の高揚力CLp が発生することが明らかになった。
この揚力値は定常状態の揚力値CLmに比べ3〜5倍大きな値である。

また、非定常高揚力CLpの迎え角依存性は物体の形状や厚み比には殆ど依存せ
ず、 迎え角のみ依存し、 α=45° 付近で CL≒2.5 という大きな値を示す。
この高揚力の発生機構について、流れ模様の観察と渦糸近似法による数値計算
を用いて議論する。

                                      流体懇話会事務局(電気通信大学)
                                    TEL:0424-43-5438,FAX:0424-88-6371
                                         naoya@miyazaki.mce.uec.ac.jp
                        web: http://www.miyazaki.mce.uec.ac.jp/konwa/
                                             参加費無料・参加登録不要
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連絡は懇話会事務局(naoya@miyazaki.mce.uec.ac.jp) まで

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