第140回流体懇話会のご案内

流体懇話会のご案内
平成23年9月30日(金)

流体懇話会の講演会を下記のように開催いたします.どうぞご参加下さい.

講演題目

位相空間における磁化プラズマの2次元乱流

講師

龍野 智哉

(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報・通信工学専攻 准教授)

日時

平成23年10月21日(金) 16:30-18:00

場所

電気通信大学 東4号館 8階 AV会議室

概要

  太陽や核融合実験装置などの高温プラズマは、流体と違ってかなり希薄であるため粒子間の衝突が比較的稀であり、Navier-Stokes方程式のように 各点における局所熱平衡を仮定したモデルは現象をうまく記述できないことがある。高温プラズマでは粒子の速度分布関数を各点で追跡する Boltzmann方程式がよく用いられてきた。

我々は磁化されたプラズマにおいて、Boltzmann方程式を磁力線まわりの回転運動について平均化したジャイロ運動論を用い、位相空間におい てプラズマ運動を解析する初期値問題コードAstroGKを開発した [1]。

この数値コードを用いて、粒子の回転半径以下のスケールにおける2次元静電的自由減衰乱流の数値シミュレーションを行った[2-4]。2次元静電 ジャイロ運動論には無衝突保存量が2つ(エネルギーとエントロピー)存在するため、非線形相互作用はこれらの保存を満たしながら進行する。

したがって2次元Navier-Stokes乱流のように、小スケールに揺動があれば双カスケードが起こり、エネルギーは大スケールへ、エントロ ピーは小スケールへと移送される。懇話会では、位相空間乱流における位置空間と速度空間にカップリングがおこることを数値計算結果を示しながら解 説する。また時間があれば、自由減衰乱流の減衰則やスケール間移送の多様性についても最近の結果を示したい。

参考文献

  1. Numata et al., J. Comput. Phys. 229, 9347 (2010). (Link)
  2. Tatsuno et al., Phys. Rev. Lett. 103, 015003 (2009). (Link)
  3. Tatsuno et al., J. Plasma Fusion Res. SER. 9, 509 (2010). (Link)
  4. Plunk & Tatsuno, Phys. Rev. Lett. 106, 165003 (2011). (Link)
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