第155回流体懇話会のお知らせ

木曜日 23 7月 2015 at 3:39 pm

下記のように第154回流体懇話会を開催いたします.


講演題目

流路内層流における浮遊粒子の非一様分布

講師

関 眞佐子  (関西大学 物理・応用物理学科 教授)

日時

平成27年9月1日(火) 14:00-15:30

場所

電気通信大学 東4号館 8階 AV会議室
学内マップの11番が「東4号館」です)

概要

微小血管内の血液流れでは、血管断面における各血球成分の空間分布は一様ではなく、赤血球は血管の中央付近に多く分布し、血小板は逆に血管壁付近に多く分布することが知られている。これは血液流れの研究分野で古くから知られている現象であり、血小板が止血作用を果たすのに都合がよい。一方、マイクロ・フルイディクスの分野では、血球を含め、様々な細胞の浮遊液を微小流路に流すと、下流において細胞が流路断面内のある特定位置に集まって流れる現象が注目されており、これを細胞の分離・選別に応用する試みが多く行われている。これらの例のように、一般に粒子浮遊液を流路に流した場合、流路下流における粒子の断面内分布は様々な要因により非一様となる。レイノルズ数が0の極限では、剛体の球形粒子が単独に浮遊している場合、外力が作用しなければ粒子はどの位置にあってもそのまま流路の軸と平行に流れる(いま、断面形状が一様で真っ直ぐな流路を考える)。つまり、断面内に特定の集束位置(平衡位置)は存在せず、流路入口でランダムに流入した粒子は粒子間相互作用が無視できるならば、下流においてもランダムな分布のままである。本講演では、慣性に起因する浮遊粒子の非一様分布に対して、我々の研究室が行っている実験と数値解析の結果について報告する。特に、円形断面および矩形断面をもつ流路内流れについて、通常のマイクロ流体デバイスで取り扱われるよりも大きなレイノルズ数の範囲まで含めて、粒子分布の特徴を紹介する。


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